高額で取引されるゴルフ会員権の価格は、国内の経済や社会情勢の変化にしたがって大きく変動してきました。関東地方の会員権取扱会社による協同組合が1976年から毎年公表しているデータによると、同年10月の時点では関東の主要ゴルフ場約150ヶ所のゴルフ会員権の平均価格は289.6万円でしたが、1980年代入るとに緩やかに上昇していき、不況を脱してバブル経済期に入った1985年頃には1千万円を超えました。経済の好調が続くとともにゴルフ会員権の価格も急上昇していき、1990年2月には平均相場が4388.3万円になりました。この値段は30年あまりが経過した今日でも、最高値として記録されています。

ゴルフ会員権の価格が高い時期は投資の対象にもなっており、コースによっては億単位の値段で取引されることがありました。しかし、バブル経済が終焉を迎えると会員権の相場は急激に下落していき、最高値を記録してからわずか6年あまりで平均相場が1千万円を割り込んでしまいました。下落はその後も続き、2003年6月には当時の最安値となる248.8万円を記録しました。その後は少し持ち直しますが再び下落に転じ、直近十数年間は200万円台で推移してします。

2022年11月末の時点で、最安値は2016年11月に記録した156.2万円です。ゴルフ会員権の価格の下落は経済状況の悪化だけでなく、預託金の返還を巡るトラブルや、名義書換料の高さの問題も要因といわれています。ゴルフ場側も名義書換料や預託金などの費用の値下げなどで対策を行っているものの、相場の回復には至っていません。